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「虫の知らせ」の不思議度
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投稿内容

(イラスト)鈴虫(4x3)

両親が海外旅行で2週間ほど不在にしていたときの事。
当時、実家にいた私は仕事もあったので一人で留守番をしていました。
さすがに住み慣れた実家とは言え、誰もいないガラーンとした家は夜になると寂しく、私はなるべく残業をして家にいる時間を短くしていました。

両親が帰ってくる予定日の2日前の夜、気味の悪い夢を見ました。
夢の中の私は小学生で、幼稚園児の弟と一緒に遊んでいました。
すると、弟の背後から父が薄笑いを浮かべながら出てくると弟の腕を掴み、バタン!と弟を仰向けに押し倒しました。
父の手には鉈(なた)が握られていて、恐くて泣き叫ぶ弟の右腕をダンっ!!と笑いながら切り落としました。
弟が叫び、血が吹き出し、生臭い匂いの中、切断された腕が僅かに痙攣していて、夢にしてはリアルすぎると頭の端で感じました。
私は恐怖で腰が抜け、声も出せずにいました。
それに気づいた父がこちらを向き『○○(私の名前)は足な!』と私の右足を掴み鉈を振り上げた時、何か弾けたように私は思い切り叫びました。
その瞬間、自分で叫んでいる声で目が覚めました…。
思わず自分の右足を触り、何もない事を確認すると夢の恐さに、年甲斐もなく大声で泣いてしまいました。

翌朝、目を覚ますと携帯に見知らぬ電話から大量の着信が。
普段なら絶対にしないのに、虫の知らせなのか…思わずかけ直してしまいました。
電話の先は、両親が今回の旅行で利用していたツアーデスクからで、
内容は『旅先で両親が強盗に遭った。咄嗟に奥様(母)を庇おうとしたら拳銃を出されると強盗に思われたらしく、右腕をナイフで切りつけられた。』とのことだった。
命に別状はないとは言え、怪我を負ったので残りのツアーは断念して両親は緊急帰国。
私も緊急時なので電話で会社に理由を話し、成田空港へ車を走らせた。
無事に帰国した両親は憔悴しきっていて、見ていて辛かったが、事の経緯を聞いてみた。
すると、私があの夢をみた日に襲われたのだと言う…。
しかも、父が切りつけられた時に母が大声で叫んだ事で地元民に気づいてもらえたとの事だった。
あの夢は虫の知らせだったのか、それとも両親の思いが見せた夢なのか…。
そう思うと今でも忘れられない。

■MC:j-i■
夢の内容は怖いのですが、お父さんとお母さんを助けるための夢だったようにも思います!
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